鹿児島建設新聞 2025年7月19日
ビルメン鹿児島(野元一臣社長)は1日、新たにHCジャパンを設立した。
炭化水素冷媒「ハイチルガス」の輸入と国内販売を通して、脱フロンガスと省エネルギーの普及を目指す。代表者は野元一喜氏(ビルメン鹿児島会長)が務める。
世界的に環境意識が高まる中で、日本のCO2排出量は世界5位と遅れを取る。ハイチル社(オーストラリア)が生産する自然冷媒ガスは、欧米諸国を中心に空調機器や冷蔵・冷凍庫で使用され、脱フロン化など環境保護に貢献。空調機器の一般的な冷媒と比較して消費電力を削減し、電気料金も抑える。
ハイチル社のマリオ・バレンGMは「自然冷媒ガスの価値が日本社会で認識され、積極的な活用が進むことを期待したい」と笑顔で話す。
ビルメン鹿児島と東北大学が共同開発する瞬間冷凍機では、ハイチルガスの使用でマイナス50℃を達成。マイクロ波解凍機との相乗効果は、食品の鮮度保持など食文化を守るシーズとしても注目される。野元代表は「フロン排出を規制する法律はあるが、実効性には疑問もある。費用対効果などの経済的メリットを広く伝え、持続可能な未来のために役立てていきたい」と力を込めた。